世界に語り継がれる伝説の珈琲店、青山『大坊珈琲店』。

青山で38年間、変わらぬスタイルで営業を続けた大坊珈琲店が閉店してから約2年。

コーヒー好きによく知られた名店で、店主の大坊勝次氏が豆選びから焙煎・ブレンドを行い、ネルドリップで作るコーヒーは濃いめながらもほのかな酸味と甘味が苦味をまろやかに包み込む、すっきりとした味わい。

村上春樹さん(『夢のサーフシティ』には店が実名で登場)、向田邦子さん、小沢征爾さん、糸井重里さん…大坊珈琲店は、多くの文化人も通った珈琲店でした。

営業に幕をおろすにあたり、大坊さんはその記録である『大坊珈琲店』という一冊の私家本をつくりましたが、限定刊行された同書籍は多くの声から一般通版として再刊。大坊珈琲38年の歴史が広く知られることに。

大坊

 

ブルーボトルコーヒーの創業者ジェームス・フリーマンが衝撃を受けた日本の珈琲店の代表的存在として大坊珈琲店を紹介しているように、いまや海外からも注目され、そのマニュアルの英訳書が刊行されるほど。

コーヒーを淹れる大坊さんの佇まい、ストイックで静謐な店内空間。大坊さんの珈琲へのアプローチは茶道に通じる…そんな印象を感じた人も多いと聞きます。注がれるお湯は糸のように細く、言葉少なに、無駄のない美しい所作で淹れる。

映画『A Film About Coffee』予告編
目覚めのコーヒーをテーマに一杯のコーヒーが届くまでの過程を紹介するドキュメンタリ-ー映画。本予告篇の冒頭には、今はなき東京・表参道の名純喫茶「大坊珈琲店」も登場。

 

開業当時から心に決めたこと。

 

「年中無休です」

「お店の見えないところで何かをしない。全部、お客様の見えるところで行う」

「深煎りが大坊のコーヒー」

「笑顔がある味のコーヒーを淹れる」

 

…大坊さんは静かに約束をして静かに守る人。ですから、

 

「店を閉めます」

と言ったその言葉を疑う人はいませんでした。
そして2013年12月、閉店を告げる一枚の貼り紙がされ“伝説の珈琲店”となったのです。

大坊さん自身がその多くを語った糸井重里さんとの『ほぼ日刊イトイ新聞』での対談は、大坊珈琲店の物語を知る上で大変貴重なものです。コチラをご覧ください。
https://www.1101.com/daibou/2014-07-17.html

大坊珈琲店で働いていたスタッフのうちの1人、古屋達也さんが、大坊さんが開店した同じ27歳で自身の珈琲店をスタートさせました。

 

「大坊珈琲店は水面に落ちた一粒の珈琲豆から波紋がゆるやかに広がっていくように、若い世代にも及んでいる」

 

(『恵比寿のCoffee Tram、名店の記憶と新しい魅力の誕生』より。記事全文はコチラ http://allabout.co.jp/gm/gc/445054/)

国内外問わず多くの人に愛された大坊珈琲店。

現在でもその伝説を語り継ごうと、ワークショップやトークイベント、写真展が頻繁に開かれています。

 

~この記事の珈琲店のご案内~

大坊珈琲店

すでに閉店。

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